クロマキーといえばテレビ業界ではブルーが一般的に使われるが、映画やCMの現場ではグリーンもよく使われている。場合によっては赤を使ったりもする。フィルムで撮影しても今はデジタル処理でクロマキー処理をするのでRGBのクリアーな成分により近いバックを使うときれいに抜けやすいのだ。
最近のソフトではどんな色でもそこそこきれいに抜けるが被写体に背景と同色があると一緒に抜けてしまう。外国映画でグリーンバックを使うのはブルーアイの俳優がいるからという説がある。実際外人モデルをブルーで撮影したとき目が抜けていた。ただ、瞳くらいだとガーベージマットを追っかけても背景に溶け込むことはほぼありえないから実際には問題にならない。むしろVTRの記録フォーマットを考えるとグリーンが有利ではないかと考える。
現行出回っているVTRはD-1をベースにしたものが多い。D-1は4:2:2で色成分の解像度を水平方向に半分にしている。DVの場合4:1:1だから更に半分になっているわけだ。ところがこの色差コンポーネントというのは単純に色と輝度ではなくRGBのマトリックスで輝度はグリーンをベースにしている。そのため推測だがグリーンをクロマキーに使えばキーの解像度は高く取れるのではないかと考える。
ということで試してみた。フォトショップでグリーンバック、ブルーバックを作って白、黒の円形、人物の切り抜きを配置し、DVエンコード。この素材をカノープスのEDIUSでクロマキーしてみる。解像度的には明確な差は出ておらずエンコードされた画像をフォトショップに取り込んでみたが若干グリーンの方が輝度の影響を受けエッジにグラデーションを感じる。ただ、EDIUSのアルゴリズムの影響かグリーンの方がきれいに抜けている。4種類の抜き方と微調整があるのだがブルーはカラーキャンセルで若干不利なのとキーがずれるのか左に2ピクセルくらい黒いラインが残りやすい。グリーンはほぼ完全なのだがやはり人物の肌は日本人の場合グリーン成分を多く含むので指などはそれなりにきびしい。このあたり、撮影のやり方を注意深くすればなんとかなるだろう。